Hamachiについて
LogMeIn Hamachi(略称Hamachi)は、NAT(ネットワークアドレス変換)技術、P2P(Peer to Peer)技術を利用して、パソコン、スマホのホスト同士をVPN(仮想プライベートネットワーク)で接続するサービスです。LogMeIn Hamachiは、仲介サーバーによりNAT機器のパブリックIPアドレスを交換することで、P2PのVPN接続を直接行う、またはP2P接続ができない場合は仲介サーバーを経由してデータを送受信する仕組みになっています。
Hamachiは安全なココラボレーション、モバイルオフィス、ファイル共有、ゲームマルチプレイを行うなどに向いています。モバイルオフィスの場合は、インターネット接続があればどこからでも安全に会社のネットワークへリモートアクセスできます。ゲームの場合は、離れた場所にいるプレイヤー同士がマルチプレイを楽しむことができます。
Hamachiはソフトのインストール及びわずかな設定だけでVPN接続を行うことができるとの評価を得ています。Hamachiはトンネリング、暗号化、承認などの技術を用いて安全にデータのやり取りを行い、通信の盗聴や改ざんに遭う危険性がありません。Hamachiは一つのネットワーク(グループ)が最大5ピア(クライアント)まで無料使用できます。有料のプランが2つあり、ネットワークごとのクライアント上限がそれぞれ32、256です。
LogMeIn Hamachiは数分間で設定可能で、通常のハードウェアベースのVPNシステムと異なり、オンデマンドのVPNサービスです。
Hamachiに類似するサービスはBetternet Free VPNやGlobus VPN Browserなどがあります。
Hamachiの使い方
Hamachiの使い方はLogMeIn IDへのサインアップ、クライアントソフトのダウンロード、インストール、ネットワークの追加、ネットワークへの参加などの手順からなります。下記の通り紹介いたします。
LogMeIn IDへのサインアップ
LogMeIn Hamachiのソフトとサービスを利用するには、LogMeIn IDにサインアップしなければなりません。
①公式サイトのwww.LogMeIn.comへアクセスします。
②画面右上の「ログイン」をクリックします。「ログインまたはサインアップ」画面が表示されます。
③「サインアップ」をクリックします。
④登録フォームの項目に記入し、画面の指示に従って操作します。アカウントフォームの入力が完了すれば、確認用の電子メールが送信されます。
⑤LogMeInから受けた電子メールの内容を読んだ上、アカウントをアクティブにします。LogMeInからの電子メールが見つからない場合、スパムや迷惑メールのフォルダをご確認ください。
パソコンへのクライアントのダウンロードとインストール
下記の手順に従ってHamachiクライアント(WindowsまたはMac)をダウンロードし、パソコンにインストールします。Hamachiクライアントが使うLogMeInアカウントにログインする必要があります。
①LogMeInウェブサイトで「ネットワーク」>「マイネットワーク」画面に移り、「クライアントの追加」をクリックします。
②「クライアントの追加」ページで、「LogMeIn Hamachiをこのコンピュータにインストールする」を選択し、「続行」をクリックします。
③「今すぐダウンロード」をクリックします。
④Hamachiインストーラが起動し、画面に表示される手順に従って操作します。
インストール後、クライアントはアクティブなLogMeInアカウントとして登録されます。LogMeInウェブサイトを通じてクライアントを管理できます。
Hamachiネットワークの追加
①LogMeInウェブサイトで「ネットワーク」>「マイネットワーク」画面に移ります。
②「マイネットワーク」ページで、「ネットワークの作成」をクリックします。「ネットワークの追加(ステップ1)」ページが表示されます。
③「ネットワーク名」のところにネットワーク名を指定します。ネットワーク名はネットワークの特定に役立ちます。
④「ネットワークの種類」を選択します。メッシュネットワーク、ハブ&スポークネットワーク、ゲートウェイネットワークの3種類から一つ選択します。5クライアント以下なら、メッシュネットワークを選択しましょう。
⑤「ネットワークについての説明」に説明文字を入力します(オプション項目で、必須ではありません)。
⑥「続行」をクリックします。「ネットワークの追加(ステップ2)」ページが表示されます。
⑦参加要求に対するデフォルトの応答を選択します。「自動的に同意する」「常に承認を求める」「Webからのメンバーの追加のみを許可する」から一つを選択します。
「自動的に同意する」は全てのネットワーク参加要求を自動的に承認します。これを選択すれば、ネットワークパスワードを求めるようにしましょう。
「常に承認を求める」は全てのネットワーク参加要求をウェブサイトで承認する必要があります。
「Webからのメンバーの追加のみを許可する」はクライアントからネットワークに参加することはできません。ウェブサイトでのみクライアントを追加できます。
⑧「ネットワークパスワード」で「このネットワークに参加するにはパスワードが必要です」を選択してネットワークを保護します。
⑨「続行」をクリックし、「ネットワークの追加(ステップ3)」ページが表示されます。画面に表示される手順に従います。
⑩「終了」をクリックすれば、ネットワークが作成され、システムによって生成されたネットワークIDが付けられます。
既存ネットワークへの参加
この手順はクライアント上で行います。各Hamachiネットワークの設定により、参加するにはネットワークの所有者の承認が必要になる場合があります。
①「ネットワーク」>「既存のネットワークに参加」を選択します。
②ネットワークのネットワークIDとパスワードを入力します。
③「参加」をクリックします。クライアント側に下記の画面が表示されます。
クライアントが参加要求を送出すれば、ホスト側は以下の参加要求を受信します。
「同意する」を選択し、「保存」をクリックすれば、クライアントはメンバーに表示されます。
ウェブサイトでクライアントの状態を確認できます。青と赤の状態がそれぞれオンライン、オフラインを意味します。
クライアントにおいて、参加者(ゲスト)の状態を確認できます。オンラインの端末同士はチャットやファイル共有などができます。
Hamachiによるゲームのマルチプレイの実現
マルチプレイに対応するゲーム(マイクラ(Minecraft)、遊戯王ADS(Automatic Dueling System)など)をネットワーク対戦するために、VPNとしてLogMeIn Hamachiをよく利用されています。その理由はプレイヤー同士で安全で無料のVPNを簡単に設定できることにあります。
マイクラのマルチプレイを行う手順は、以下の通りです。
①マイクラのホスト(サーバーを立ち上げるプレイヤー)、参加者(他のプレイヤー)はともにLogMeIn Hamachi及びマイクラをダウンロードしてインストールします。
②ホストがマイクラのサーバー起動用ファイルをダウンロードして設定しておきます。
下記のURLからマイクラのサーバインストーラをダウンロードしてインストールします。設定方法はマイクラのホームページをご参照ください。
https://www.minecraft.net/ja-jp/download
③ホストがHamachiのVPNを立ち上げます。
④参加者がホストが作ったHamachiのVPNに参加します。
IPアドレスはHamachiクライアントの電源ボタンの右にある数字です。右クリックし、IPv4アドレスをコピします。
④ホスト、参加者はともにマイクラを立ち上げてマルチプレイを選択し、IPアドレスを入力(貼り付け)してログインします。
それでマイクラのマルチプレイができるようになります。
まとめ
本記事はHamachiの使い方、マイクラなどの対応について紹介いたしました。Hamachiのサービス状態について、最新バージョンがWindows 10、Windows 11に対応しています。Windows 11が登場した初期、Hamachiの運用が不安定するとのコメントがありました。5クライアント以下なら無料で利用できます。有料のVPNサービスと言っても、その他のサービスと比較してVPN設定の容易さなどを考えれば、Hamachiも優れた選択肢です。ニーズがあればぜひHamachiをお試しください。