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本記事ではAudacityのダウンロード方法から使い方まで解説していきます。Audacityは高機能なオーディオ編集ソフトです。多彩な機能を持っており、ノイズ除去だけでなく録音やカットなど細かい編集もできます。AudacityはLinux、FreeBSD、macOSなどのPC-UNIX、macOS 9、WindowsといったOSで使用可能です。本記事を読めばAudacityを使って録音したボイスやオーディオの編集が行えるようになったり、ノイズの除去、音量の調整といった細かい作業を簡単に行えるようになります。
Audacityとは?
Audacityはフリーのデジタルエディタです。ファイルフォーマットのインポート・エクスポートに加え、カット・コピー・ペーストによる直感的な編集なども行えます。あらかじめ録音しておいた音声だけでなく、本ソフトがあれば録音もできるため、録音した音源をそのまま編集して直接アップロードするなどの使い方も可能です。
開発元 |
The Audacity Team |
---|---|
最新版 |
3.1.3 / 2021年12月23日 (2か月前) |
リポジトリ |
github.com/audacity/audacity |
日本語対応 |
対応 |
公式サイト |
www.audacityteam.org |
Audacityは無料で使えるオーディオ編集ソフト
Audacityは高機能なオーディオ編集ソフトでありながら、多彩な機能をもった音声編集ソフトでもあります。実は超定番の無料録音ソフトとしても知られており、本ソフトだけでレコーディングはもちろん、カット・コピー・ペースト、ノイズ除去、音量の調整など直感的な編集も可能です。実際に「歌ってみた」などを投稿している歌い手さんの多くが本ソフトを使用しており、録音から編集まで行ってYouTubeなどへ投稿しています。
Audacityでできること
Audacityを使えば、WAV・FLAC・Ogg Vorbis・MP3(外部MP3エンコーダのLAMEを利用)といったファイルフォーマットのインポート・エクスポート、音声の録音や再生、カット・コピー・ペーストによる編集、マルチトラックミキシング、ノイズ除去、多言語対応(日本語可※ただしヘルプは英語)などさまざまな機能を使えます。
Audacityの対応フォーマット
Audacityでは入力がWAV / AIFF / MP3 / OGG / FLACに対応しており、出力が WAV / AIFF / MP3 / OGG / FLAC / MP2に対応しています。別途「FFmpeg」を導入すれば、動画の音声読み込み、WMA / M4A / AC3 / AMR などの読み書きも可能です。
Audacityの使い方
Audacityを使う場合、1つ注意点があります。日本語ファイルや文字化けファイルをインポートし、aup形式で保存すると not-well-formed(3行目)エラーが表示されます。これはXMLに由来するもので、aupファイルをメモ帳などで開いて3行目の文字化けをカットすれば回避可能です。ちなみに、このエラーはWin版のバージョン2.3.3では確認されていません。
Audacityのダウンロード方法
まずは公式サイト(https://www.Audacityteam.org/)で「Download Audacity」をタップ。
続いて上部にある「Download Audacity for Windows,Mac or Linux」を押してください。下にある「Legacy Download」は旧バージョンなのでこだわりがない場合はクリックしないでください。
お持ちのパソコンのOSに合わせてダウンロードします。今回はMacでダウンロードしました。
下の部分にインストーラーがダウンロードされます。ダウンロードが終わったらクリックして実行してください。
アプリケーションの中に保存します。
こちらがAudacityのインターフェースです。
Audacityで日本語を設定する
続いて言語を日本語にしていきましょう。
「Audacity」から「Preference」へ進み、「Interface」の「Language」から日本語を選択してください。
最後に「OK」を押すのを忘れずに!
Audacityの使い方
Audacityを使う場合、1つ注意点があります。日本語ファイルや文字化けファイルをインポートし、aup形式で保存すると not-well-formed(3行目)エラーが表示されます。これはXMLに由来するもので、aupファイルをメモ帳などで開いて3行目の文字化けをカットすれば回避可能です。(ちなみに、このエラーはWin版のバージョン2.3.3では確認されていません)
Audacity画面の見方
ではAudacityの機能について見ていきましょう。下記は「ファイル」から音源をすでに取り込んだ状態です。
左上にあるのが再生メニューです。停止や録音など、こちらで操作できます。その隣にあるのがツールバーです。それぞれの役割は下記の通り。
ツール名(左上から時計回り) |
役割 |
---|---|
selection |
オーディオの領域を選択する |
envelope |
トラックのボリュームの変化をスムーズに制御する |
draw |
サンプルの音量やノイズをカスタマイズする |
multi tool |
マウスの位置と長押しした修飾キーに応じて、このツールバーに一度にアクセスできる |
zoom |
オーディオの領域をズームする |
そして下にある波形がトラック画面です。こちらでオーディオを編集していきます。
Audacityエフェクト一覧
Audacityには豊富なエフェクトが取り揃えられています。数が多いので下記画像でご確認ください。
Audacityでノイズを除去する
ノイズを削除するには、まず人が喋っていないノイズのみの部分を選択します。その状態でエフェクトからノイズ除去を選択。
ノイズプロファイルの取得を押しましょう。続いて、波形エリアを選択します。最後にもう一度エフェクトよりノイズ除去を選択し、OKをクリックすれば完了です。ノイズ除去をする際、値を大きくするとより静かになりますが、やり過ぎると必要な音まで消えてしまうので注意しましょう。
また、感度はおかしくならない範囲で小さくするのがおすすめです。あまり小さくしすぎると、キリキリしたロボットのような音が混ざってしまいます。周波数平滑化バンドに関してはキリキリ音を軽減してくれますが、大きくしすぎると人間の声がクリアでなくなってしまうので、いずれにしてもやりすぎには注意です。
Audacityでトラックを選択して書き出す
そもそもトラックの追加はメニューの「トラック」→「新しく追加」→「ラベルトラック」から追加できます。
分割して追加する場合は、分割して追加したい部分に「ラベル」を設定。「ファイル」→「複数ファイルの書き出し」→「ファイル分離基準」を「ラベル」に変更してOKをクリックすれば完了です。
ラベルの付け方は主に2通りあります。
1つ目は「Ctrl+B」=選択範囲にラベルを付ける(「トラック」→「選択範囲にラベルを付ける」)です。2つ目は「Ctrl+M」=再生開始位置にラベルを付ける(「トラック」→「再生開始位置にラベルを付ける」)になります。
Audacityで曲を分割させる
1つのファイルに複数の曲が入っているとき、「ラベルトラック」と呼ばれるエフェクトで曲にラベルを貼ることで、それぞれの曲を分割することもできます。
まずは曲の最初を表示して1曲目からラベリングしていきましょう。「編集」から「ラベル→ラベルの編集」と進みます。
曲名を入力してください。
続いて、ハンドルのようなマークがありますのでドラッグして1曲目の範囲を指定します。
続いて2曲目の範囲を指定していきましょう。
範囲を指定するときは、矢印の方向を良く見てドラッグするのがコツです。曲の境目がわからない時は、ツールバーの虫眼鏡のアイコンで拡大しながらやってみてください。
作業が終わったら実際に再生してみて、調整していきましょう。
Audacityが使えないときは?
Audacityは2021年に8年ぶりとなり大幅メジャーバージョンアップがされました。以前のバージョンではデータが開けないなどの不具合が起こっていましたが、それらの問題も解消されています。バージョンアップにより編集中の状態を保存したファイルの形式がAUP形式からAUP3形式に変更されているのが大きな特徴です。
それ以外は小規模な変更がされています。例えば、Noise Gateエフェクトの改善、「Label Sounds」コマンドの追加などです。アップデートでもAudacityが使えない場合、Windowsを使っているなら「デバイスマネージャー」から「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」を開き「Realtek High Definition Audio」の「ドライバータブ」を開いてドライバーの更新を行うと解決できるかもしれません。
まとめ
Audacityを使えば録音から編集まで本ソフトだけで完結します。もちろんあらかじめ保存しておいた音声の編集も可能です。なにより無料で使えるソフトなので、オーディオ編集ソフトを探している初心者やいきなり有料ソフトを使うのは怖いといった方におすすめです。