FastCopyは高速コピー&削除ができる無料ツールとして、このジャンルのソフトの中では定番。(2022年6月現在ソースコードの公開は一旦停止中)右クリックからゴミ箱非経由で高速削除する機能などもあり、とても使いやすいと思います。しかし、無料で使えることに不安を感じている人も少なくないでしょう。そこで本記事では、FastCopyの特徴と使い方に加え、安全性についても紹介していきます。
FastCopyとは
FastCopyはWindows向けのファイルコピー・削除ツールとして、10年以上の歴史を持つフリーソフトです。元々デバイスの限界に近いパフォーマンスを発揮するのを目的に開発されました。
コンパクトで軽快な動きが特徴で、Windows標準装備の機能よりも高速に大量のファイルをコピーできます。さらに、Windowsのキャッシュを利用しないため、コピー中も他のアプリが重くならないといった魅力も兼ね備えています。
操作方法も簡単で、コピー元とコピー先を指定するだけ。簡単かつ軽い動作から人気を集め、定番アプリとして長年愛され続けています。
ちなみに、2022年1月23日に、2015年8月以来の6年5ヶ月ぶりとなるバージョンアップが行われました。バージョンアップでは、コマンドライン版「fcp.exe」の追加とxxHash3/SHA系のハッシュ計算を高速に行うコマンドラインツール「FcHash.exe」も導入されています。
FastCopyの使い方
FastCopyは古い外観に見えるものの、シンプルな操作で簡単に使えます。具体的な使い方についてまとめたので確認していきましょう。
FastCopyのダウンロード方法
FastCopyのインストーラーはEXE形式。対応OSは
・Windows 7/8/8.1/10/11
・Windows Server
です。まずは、FastCopyの公式サイトを開きます。
FastCopyは、窓の杜もしくはVectorでインストールできます。今回は窓の杜でダウンロードしました。
インストールにチェックが入っていることを確認し「開始」をクリックしてください。
セットアップが完了したら「起動する」を押しましょう。
これでダウンロードは完了です。
FastCopyで入力元と入力先を設定する方法
入力元と入力先を設定するには、まずFastCopyのメイン画面を開きます。画面左上にある「Source」ボタンを押して、コピーもしくは移動させたいフォルダやファイルを選択しましょう。
処理するアイテムは複数選択してもOKです。続いて、下の「DestDir」ボタンを押してコピー先フォルダを指定します。「DestDir」にコピー先フォルダを直接ドラッグ&ドロップしてもOKです。最後に「実行」を押せば処理が始まります。
最後に「Finished」と表示されれば、処理は完了です。
FastCopyでフォルダをコピーする方法
画面左上にある差分(サイズ・日付)と書かれたプルダウンメニューをクリックし、処理内容を選択します。
処理できるコピー内容は
- 差分(上書きなし)
- 差分のみをコピーする(同名ファイルはコピーしない)
- 差分(サイズ・日付)
- 差分のみをコピーする(同名ファイルがあった場合、サイズ / 日付 が違う場合のみ上書き)
- 差分(最新日付)
- 差分のみをコピーする(同名ファイルがあった場合、日付が新しい場合のみ上書き)
- コピー(全上書き)
- 全てを上書きしてコピーする
- 同期(サイズ・日付)
- 同期する(同名ファイルがあった場合)
- サイズ / 日付 が違う場合のみ上書き)
- 移動(全上書き)
- 移動する(同名ファイルがあった場合、全て上書きする)
- 全削除
の中から選択可能です。
FastCopyで高速コピーをする方法
高速コピーの方法は大きく2種類あります。1つ目は、ソフトのウィンドウを起動し、コピー元ファイル&コピー先フォルダーをドラッグ&ドロップする方法です。(ドラッグ&ドロップではなく、ファイル選択ダイアログを使うのでもOK)
2つ目は、エクスプローラー拡張機能を使って、あらかじめファイルやフォルダのメニューにFastCopyを追加しておく方法があります。この方法を使えば、選択したファイルやフォルダがコピー元として登録された状態でソフトを起動できるので、ウィンドウ内の「実行」ボタンを押せば高速コピーが可能です。
FastCopyのコマンドライン
FastCopyはGUIベースだと面倒な作業を、コマンドラインモードを使って簡単に行えるようになります。コマンドをあらかじめ作成しておけば、夜間も自動でコピーしてくれるので便利です。
FastCopyのコマンドラインには、例えば下記があります。
/bufsize=512 |
コピー時に使用するバッファーサイズ |
---|---|
/disk_mode=diff |
コピー元とコピー先のディスクが同じかどうかを指定するオプション |
/speed=full |
コピーの速度を指定するオプション |
/cmd=cync |
コピー先にも同じファイルがあった時、日付やサイズが違う場合のみコピーを実行するように指定 |
などがあります。
FastCopyのアンインストール方法
「setup.exe」ファイルを右クリックし、「管理者として実行(A)」を起動してアンインストールします。
「開始」→「OK」の順番にクリックして、FastCopyファイルを全て削除すれば完了です。
FastCopyに関するQ&A
FastCopyは便利なソフトですが、無料という部分に引っかかっている方も多いでしょう。そこで下記では、安全性やその他気になる疑問について解説していきます。
FastCopyは信頼できるソフトです。心配であれば有料ソフトを使うのがおすすめですが、有料ソフトだからといって信頼できるとも限りません。
バッファが大きいほどヘッドの移動が少なくなり、結果的にコピーが速くなるといわれています。そのため、100MB程度に設定しておけば十分でしょう。
フォルダごとのコピーにも対応しています。
バッファサイズを100MB以下に設定すると、若干遅くなる可能性があります。それ以上の場合は大差ありません。
基本的に大量のファイルをコピーするときは、他のソフトを使うよりも大幅に高速で動作するのでおすすめです。処理スピードに関しては他のソフトと比べても最速レベルだと思います。
また、右クリックからゴミ箱非経由で高速削除する機能も、多くの人が使いやすいものでしょう。そのほか特殊なバックアップ(ACL/副次ストリームコピー、ジャンクション&シンボリックリンクのコピー、ベリファイ、ハードリンクの再現)を行いたい場合も便利です。
まとめ
FastCopyを使えば、大量のファイルをコピーするときに高速で行えるため、Windowsで既存の機能を使うよりも便利です。初心者にも扱えるほど使い方は簡単ですが、細かい部分の設定が分からない方は、本記事を参考にして一緒に設定してみてくださいね。