「Handbrake」とは、HandBrake Communityから開発・提供しているオーペンソースソフトウェアです。DVD等の動画ファイルをMPEG-4ビデオに変換しようと思っている方の中には、どのようなソフトウェアなのか、どんな機能を持っているのか気になっている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、HandBrakeの基本概要、日本語化・設定方法、初心者向けの使い方(Blu-ray/DVDリッピング・動画変換)を解説します。
Handbrakeとは?基本概要・主な機能・レビュー(評価)について
「Handbrake」とは、DVD等の動画ファイルをMPEG-4ビデオに変換するフリーソフトウェア、オープンソース、GPLライセンス、マルチ・スレッド、クロスプラットフォームのトランスコーダーソフトです。BeOSのために開発されましたが、現在ではmacOS、Linux、Windowsで利用できます。
Handbrakeの機能はBlu-ray/DVDリッピング、動画変換です。Blu-ray/DVDをコピーして、MP4/MKV/M4V/MP3/AAC/MP3形式に変換したり、手元の動画ファイルをiPhone/Apple TV/タブレットなどのデバイスで再生できる形式(MP4形式)に変換したりして、いつでもどこでも視聴できます。
Handbrakeは完全無料で利用できますが、対応OSはmacOS、Linux、Windowsの三つです。
【基本概要】
作者:HandBrake Community
サポート状況:開発中
ライセンス:無料
日本語:対応(Ver1.0.0以上)
サポートされている入力形式:Blu-ray、DVDディスク、DVDフォルダ、ISOイメージファイル、動画ファイル
主な機能:Blu-ray/DVD/動画変換
サポートされている出力形式:MP4、MKV、WebM、M4V
公式サイト:https://handbrake.fr/
日本語化パッチ(古いバージョン):https://ja.osdn.net/projects/handbrake-jp/
【レビュー・評価(メリット・デメリット)】
・インターフェースが直感的で分かりやすく、詳しい解説も付きで、初心者の方でも簡単に操作できます。
・動画処理に関する機能が充実し、プロ並みの品質設定機能も兼ね備え、出力ファイルは高画質で視聴できます。
・先進的なハードウェアアクセラレーション技術を導入して、メディアファイルを素早く処理できます。
・完全無料で利用できますが、マルチプラットフォームに対応しています。
・Handbrake本体がアップデートした場合は、日本語化パッチに対応していなくて、英語しかサポートしていません。
Handbrakeの使い方❶、ダウンロード・インストール、日本語化方法
さっそく、Handbrakeのダウンロード・インストール、日本語化方法について解説していきます。今回インストールする環境は、Windowsです。
Step1:まずは、Handbrakeの日本語化パッチを提供しているサイト(https://ja.osdn.net/projects/handbrake-jp/releases/)にアクセスしてください。
中央部にスクロールすると、下の画像のように「ダウンロードファイル一覧」ボタンが表示されるので、そのボタンをクリックしてください。
Step2:下部にスクロールして、「ダウンロードパッケージ一覧」が表示されます。Windows版Handbrake日本語版を見つけて、リンク先をクリックして、「HandBrake-0.9.4jp-r2-Win_GUI.exe」をクリックしてインストーラを保存します。ダウンロードした後、HandBrake-0.9.4jp-r2-Win_GUI.exeをダブルクリックしてください。
Step3:セットアップ画面が表示され、画面指示に従って内容を確認してから「次へ」ボタンをクリックします。
Step4:使用許諾契約の同意画面が表示されたら、「同意する(A)」ボタンをクリックしてください。
Step5:続いて、「インストール先を選んでください」が表示され、「インストール先フォルダ」を指定します。「インストール」ボタンをクリックするとインストールが開始されますので、終了するまで待ちます。
Step6:「Handbrake日本語版0.9.4セットアップウィザードは完了しました」画面が表示されます。以上でインストールまでの作業は終了です。終了したら「完了(F)」ボタンでインストーラを閉じてください。
ご注意:もしインストールしたHandbrakeを起動して、「To run this application,you must install missing frameworks for .NET」というポップアップ画面が表示されたら、「はい(Y)」ボタンをクリックして、画面指示に従ってやってください。こちらは、デスクトップでHandbrakeを利用するので、「windowsdesktop-runtime-6.0.4-win-x64.exe」をダウンロード・インストールします。インストーラを実行した後、Handbrakeを正常に起動できるようになります。
Handbrakeの使い方❷、初期設定方法と操作画面
次に、初期設定方法と操作画面について以下の内容を解説していきます。
・Handbrakeの初期設定方法と設定できる内容
・Handbrakeの操作画面の使い方
Handbrakeの初期設定方法と設定できる内容
まず操作しやすいように、日本語版Handbrakeの初期設定方法と設定できる内容についてご紹介します。
Step1:起動画面で左下部の「設定」をクリックして設定画面が表示されます。そこで、「全般」「出力ファイル」「完了時」「動画」「詳細」「更新」「リセット」などの設定項目があり、項目をクリックして、使用用途に合わせて設定を変更してください。
以下では、初期設定方法と設定できる内容について紹介していきましょう。
Step2:「全般」タブでは、「ユーザーインターフェース」の言語を「日本語」に設定してください。
Step3:「出力ファイル」タブでは、「参照」ボタンをクリックすることで、「デフォルトの保存先」を自由に変更してください。そして、「MP4ファイル拡張子」では「自動」/「常にMP4を使う」/「常にM4Vを使う」を使用用途に合わせて変更できます。
Step4:「完了時」タブでは、「キュー完了」では「終了時」「エンコード完了」「通知」を設定することが可能です。習慣によって自由に変更できます。例えば、「終了時」では「何もしない」「シャットダウン」「スリップ」「休止状態」などを設定できます。
Step5:初期設定の変更が完了してから、左上部の「戻る」ボタンをクリックして、ソース選択画面に切り替えます。
Handbrakeの操作画面の使い方
Handbrakeの操作画面の使い方について、まずはソース(Blu-ray/DVD/動画ファイル)を読み込む必要があります。左部の「フォルダ(まとめてスキャン)」/「ファイル」をクリックしますか、それとも右部にファイルかフォルダをドラッグして、メディアファイルをHandbrakeに読み込みます。
そして、Handbrakeの構成は、「ツールバー」「メニュー」「変換元の詳細情報」「出力ファイルの詳細設定」「保存先の指定」の5つです。
ここでは、「出力ファイルの詳細設定」に関する設定方法についてご紹介します。「出力ファイルの詳細設定」には「概要」「寸法」「フィルタ」「動画」「音声」「字幕」「チャプター」の7つ項目があります。
【概要】タブ:コンテナ(出力フォーマット)を選択できます。選択できるフォーマットはMP4、MKV、WebMです。
【寸法】タブ:動画の向きと切り抜き、解像度と拡大縮小、境界、最終解像度を細かく設定できます。
【フィルタ】タブ:動画に逆テレシネ、インターレース検出、インターレース解除、デノイズなどのフィルタを設定できます。
【動画】タブ:動画エンコーダー、フレームレート、品質、ビットレートなどを細かく設定できます。
【音声】タブ:出力音声のトラック、コーデック、音声ビットレートなどの音声トラックに関する設定を行えます。
【字幕】タブ:使える字幕ファイルはDVDビットマップ形式(idx/sub/vobsub)、srt形式、ssa形式、クローズドキャプション(CCトラック)です。映像に字幕を入れたい時、またはDVDにあらかじめ記録されている字幕を選択したい時、利用する項目です。
【チャプター】タブ:デフォルト設定のままでOKです。
Handbrakeの使い方❸、初心者向けBlu-ray・DVDリッピング/動画変換方法
最後に、Handbrakeの使い方を解説します。インポートからリッピング(変換)方法まで分かりやすく説明しますので、初心者の方はぜひ参考にしてください。
Blu-ray/DVD/動画ファイルをインポートする
方法❶:起動画面の「フォルダ(まとめてスキャン)」/「ファイル」をクリックして、Blu-ray/DVD/動画ファイルを読み込みますか、それとも「メディアファイル」を右部の白い枠にドラッグして読み込みます。
方法❷:ホーム画面では左上部の「変換元」をクリックして、メディアファイル(Blu-ray/DVD/動画ファイル)を読み込みます。
出力形式、設定などを選択する
動画ファイルの読み込みが完了した後、ファイルの詳細情報(タイトル/アングル/範囲/合計時間/プリセット)が表示されます。
そして、出力形式を選択しましょう。出力ファイルを細かく設定したい方は、先ほど述べた設定方法を参考にして、やってください。
保存先を指定する
右下部の「参照」ボタンをクリックして、保存先ファイルの場所を指定してください。
Blu-ray/DVD/動画ファイルを変換する
全ての設定が完了して問題はなければ、メニューバーの「エンコード開始」ボタンをクリックして、Blu-ray/DVD/動画ファイルの変換が始まります。画面下部では変換の進捗状況がプログレスバーで確認できます。緑色のゲージが100%になって「キュー終了」と表示されると、変換作業が完了です。
まとめ
今回は、Handbrakeの基本概要・日本語化・設定方法から詳細な使い方(Blu-ray/DVDリッピング・動画変換方法)をご紹介しました。Handbrakeには動画エンコードに必要なほとんどの機能が揃っているので、使い方を覚えておくと便利です。また、完全無料で利用できますので、初心者の方は、今回紹介していたやり方を参考にしてHandbrakeを活用してみてください。